民泊で必ず小遣いを稼げるか?

民泊で必ず小遣いを稼げるか?

結論から言うと「必ず稼げる!」というわけではない。

過去の民泊に関するネット記事を読めば「最低月収20万円は稼げる」なんて美味しい話がわんさか転がっている。しかし、そのほとんどが民泊が世間から注目を浴びる前か、住宅宿泊事業法(民泊新法)が発表される前の話だろう。

民泊 イメージ

この記事では民泊の「また貸し」をネタに、少額だが副業で稼ぎたい人に向けて注意点を紹介する。

不動産投資と言えば、巨額の初期投資が必要だと考えがちだがそうでもない。自分の借りている物件を民泊サイトに載せる「また貸し」は金銭的なリスクが最も低く、負債を抱えずにスタートできる。更に気に入らなかったらすぐに辞められるというメリットもある。つまり、重要なのは不動産の「購入」ではなく「賃貸」を選び、「2年契約」などの長期契約ではなく、すぐに解約できる物件を選ぶこと。

ただし注意すべき点があるので、以下にその内容をまとめる。

・大家が民泊を許可するか否か

民泊可能の物件としてネットで紹介されている物件は、家賃が高めに設定されてあるのでオススメではない。そのため、自分で不動産屋に足を運んでネット非公開の民泊可能の物件を見つけるか、ネットで一般公開されている物件の大家に交渉して許可をもらうことが必要。「無断のまた貸し」は禁止なので、必ず大家の許可を取るように。大家は大家で自分の物件の評価が下がらないよう、定期的に民泊サイトで自分の物件を検索していることもお忘れなく。

・その物件が民泊の基準に準ずるか

所有者から許可を得たら、次は物件そのものが法的に民泊可能か否かを調べなければならない。民泊には3つのアプローチがあるので整理してみよう。

民泊新法

1つ目は「住宅宿泊事業法(民泊新法)」に応じて運営する民泊。

これは自治体の「許可」ではなく「届出」をするだけで運営が可能だが、基本的に営業日の上限が180日という制限がある。

手軽に始められるため、サラリーマンなどの副業に使われる。というより、エアビにあるほとんどの民泊がこれだろう。詳しくは観光庁の民泊ポータルサイトを参照。

旅館業法

2つ目は「旅館業法」に応じて運営する民泊。

この旅館業法には「ホテル営業」「旅館営業」「簡易宿所営業」「下宿営業」の4種類の営業があるが、民泊であればほとんどの人が「簡易宿所営業 」として許可を申請する。昔からある「民宿」は旅館営業か簡易宿所営業のどちらかである。

旅館業法に適応するとエアビだけでなく世界最大級のbooking.comにもリスティングが可能。この許可をもらうと民泊新法にある営業日などの制限はなくなる。厚生労働省によって発行された簡単な手引きを参考にすると分かりやすい(更に詳しい内容は厚生労働省のHPを参照)。

特区民泊

3つ目は「特区民泊」で運営する民泊。

これは営業日の上限はないが「最低2泊3日」はしないといけいないという制限がある。これは民泊新法の一環として勘違いしている人も見られるが、どちらかと言うと旅館業法の特例である。詳しくは観光庁の民泊ポータルサイトを参照。

・物件の場所

不動産はその名の通り、動かすことが不可能な資産。つまり物件の場所は極めて重要になる。では、どこにするべきか。空室のリスクを抑えるには、人口が増加し続けている都市で行うのが理想である。つまり東京か大阪がベスト。

個人的には特区民泊である大阪市がオススメ。東京でも良いと思うが、区によっては規制が厳しいので、詳しくはARES不動産ジャーナルを参照。京都は人が集まっているが、自治体の民泊に対する規制が厳しいのでやめておいた方が良い。詳しくは京都新聞の記事を参照。

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・利益の計算

都会の1LDKの場合

東京や大阪で、集客できそうな物件1LDKの家賃の相場は7~10万円である。仮に9万円の物件を借りたとして、家賃、敷金、礼金、保険、光熱費、ネット代等を含めて初年度は年間約140万円かかるとしよう。

民泊の売りは安さであり、1LDK貸し切りの相場は一泊5000~6000円程度。それ以上高くなると、民泊としての魅力がなくなる。実際にラブホテルは一泊あたりの料金制なので、2人旅の平日宿泊となると、民泊より安い部屋が存在する。立地もそこまで悪くない。外国人の間では「日本での裏技的な宿泊方法」として使われることがある。

話を1LDK(一泊5000円)の件に戻す。

民泊新法による営業日の上限に従って180日間営業させた場合、90万円の売り上げしかない。

そう考えるとやはり365日営業できる特区で営業するべきだが、仮に年間の7割稼働した場合でも、365日×70%×5000円=約127万円。これでも利益は得られない。

宿泊料を上げて、幸運にも稼働日が増えればもちろん利益は出せるが、民泊は値段競争が激しいため、そこは期待しない方が良い。そもそもお金に余裕がある人は民泊ではなく、そこそこのホテルに泊まってSNSでアピールする。

都会の3LDKの場合

そこで家賃20万円以下の3LDKに的を絞り、3つの部屋を別々に貸し出すスタイルを考えてみる。

トイレと風呂が共有なので一泊4000円としても、特区であれば3部屋がそれぞれ年間で7割稼働したとして、約270万円(家賃20万円、光熱費などの経費3万円)に対し、約300万円の売り上げ(年間)が見込める。

家賃20万もするような物件で一泊4000円であれば、実際のところ8割以上の稼働は見込める。事実、浅草の駅から徒歩10分程度の3LDKに泊まっていた友人に話を聞いてみたが、そこを選んだ理由は「観光地から近くて安いから」という理由だけであった。その物件をネットで調べてみると、家賃は17万円以下、エアビでは1泊5000円(手数料込み)、6月はほぼ満室だった。しかし、投資を始める前は控えめに計算しておいた方が確実である。

一軒家の場合

もう一つの方法は、家賃15万円以下の一軒家を借り、それを団体客用に貸し出す出す方法である。

例えば5人まで一泊1万円とした場合、団体客からすれば一人当たり2000円という格安で宿泊できる。日本のホテル・旅館は一人当たりに料金を課すため、団体客からするとかなりお買い得である。仮にこの例で運営すると年間6割くらいの稼働率でも黒字になる。

・誰が運営するか

副業としてやるのであれば、運営は代行業者に委託した方が良い。

特に3部屋を別々に運営する場合、所有している物件は1つでも運営の労力は3倍になる。ただし、完全に運営を委託した場合は売り上げの半分くらいは持っていかれてしまう。どの程度自分で運営するかを決めてから委託業者を選ぼう。

自分で民泊を管理するノウハウ本もあるので参考にしてみると良い。

自分の手の届く範囲に物件があれば、全て自分で行っても問題ないだろう。

ただし、外国人とのやり取りは外国語になるので、言語に自信がない場合はある程度英語ができる友人を頼るか、あるいは丸ごと業者に委託してしまおう。事実、英語がさっぱり分かっていないであろうホストも数多く存在する。明らかに翻訳ソフトを使った難解な英語で返信してくる人もいるのだ。

多少の英語ができれば民泊程度のやり取りなら問題ない。時差が10時間程ある外国に友人がいれば最強だろう。二人で協力すれば24時間カバーできる。レスポンスの速さも客取りには欠かせない。

・どのサイトに出すか

民泊と言えば「エアビ―」だが、世界にはいろんな民泊サイトがある。そしてエアビ―はbooking.comなどのメジャーなサイトと比べるとまだまだマイナーである。

民泊でも「値段を上げて良質な客層を狙う」のであれば旅館業法の簡易宿所営業の許可を取ってbooking.comなどにリスティングすれば良い。

・そもそも「民泊」する必要があるのか

先ほども述べたが、民泊の運営を代行する業者があるように、「民泊という市場を利用する」手段もある。

物件の登録から、家具や装飾品の手配・設置、掃除、自治体への書類作成、外国人とのやり取り等、物件を持たずして、他人のふんどしで相撲を取ることだって可能だ。運営の全てをやらなくとも、例えば「民泊用の掃除」に特化したサービスだけを展開するなども選択肢としてはある。

民泊には「体験」を求める人もいる。

海外には豪邸の一室だけを貸し出すだけでは面白くないので、乗馬や高級車のレンタル、現地人しかいかない場所巡りなど、スーパーホストの名を獲得するために色んな工夫をしている。しかし、私の経験上、必ずしもホストがそれら全てを管理・運営しているわけではない。業者に委託している人もいる。つまりあなたも「現地ならではの体験」に特化したサービスを提供するのも一つの手だ。

エアビでの客とホスト間のトラブルは後を絶たない。また、「小遣い稼ぎ」の参考としてこの記事を書いているが、投資にマイナスはつきものである。投資を始める際には不動産業者の口車に乗せられないよう気を付けて欲しい。

私はこのサイトSurprisingme.comで具体的な案件を紹介、販売するつもりは毛頭ないが、知り合いのファイナンシャルプランナーなら紹介できる。Facebookにコメントを残してくれれば、そこから繋げることも可能。ともあれ、Have a nice day!!

 

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