空手を教えてください！- アフリカの空手ボーイズ

空手ボーイズ物語の始まり

「 空手を教えてください！」

私がザンビアに住んでいた頃、よく言われた言葉である。

初めて会った瞬間に言う者もたくさんいた。

（いや、ザンビアってどこやねん？）

初めて会ったにも拘わらず、彼らは何故「私の特技が空手だということを知っていた」のか、私は不思議でならなかった。

色んな人に伺ってみたとろこ、どうやら彼らはアクション映画が大好きで、アジア人はみんな空手やカンフーができると思っている傾向があった。いわゆるただのステレオタイプである。

出典：コンポストムービー

期待外れ

幸いにも、私には4年程度の空手の経験があった。何百もの希望者がいたが、最終的には真剣な少年を数人だけ鍛えることにした。

ただ初めの頃は、できる限り多くの生徒を受け入れようと試みた。

しかし、ほぼ全ての生徒が、マトリックスの主役がいとも簡単にカンフーを習得したように、空手も簡単にマスターできるものと期待していることに気が付いた。

その証拠に、ほんの少しの痛みを感じただけで、すぐに練習に来なくなってしまった。

もし空手がそんなに簡単であるならば、誰もが皆とっくに強くなっている。

もし空手がそんなに簡単であるならば、誰も暴力に苦しむことはない。

もし空手がそんなに簡単であるならば、それが「武術」と呼ばれることはない。

苦痛を乗り越えずして、強さに達することは断じてない。

隠れ道場

では一体、公園や設備など、何もないような場所で、どうやって練習したか？

これを見て欲しい。

彼らは大草原の中に道場を作ってしまった。

これはあまりにも衝撃的だった。まさにアフリカならではのサプライズ。

彼らは周りに邪魔されないよう、背の高い雑草がある場所を選んだのである。

このアフリカ感漂う道場に、私は興奮してしまった。そして何より、彼らの空手に対する熱意に、心から感謝していた。

続編

彼らの成長を下の記事で紹介しているので是非合わせて読んでほしい。

・第二弾「アフリカの空手ボーイズ奮闘記 – Karate is for self-defense」

　英語版「Karate Boys in Africa – self-defense」

・外伝「アフリカの空手ボーイズ – 宇宙の可能性」

　英語版「African Karate Boys – Possibilities of the Universe」

英語の記事はこちら / English version
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